微分幾何学 4: ガウスの驚異の定理を高校生向けに読む
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高校生からの微分幾何学ガウスの驚異の定理は、微分幾何学の中でも特に美しい定理です。
正式には Theorema Egregium と呼ばれます。意味は「驚くべき定理」です。
定理の主張を高校生向けに言うと、こうです。
これはかなり不思議です。
曲率という言葉を聞くと、ふつうは外から見た曲がり方を思い浮かべます。ところがガウスは、ガウス曲率については「曲面の住人が、曲面の上だけで測ればわかる」と示しました。
紙を丸めても、本質的には曲がっていない
紙を机の上に置くと平らです。
その紙を丸めて円柱にしても、紙を伸ばしたり縮めたりしていなければ、紙の上の長さや角度は変わりません。
円柱は外から見ると曲がっています。
でも紙の上だけを歩く小さな住人にとって、円柱は平面と同じです。
紙を丸めた円柱では、表面を切って開くと斜めの直線になる道があります。外からはらせんに見えても、表面の住人にはまっすぐです。
円柱のガウス曲率は 0 です。平面と同じです。
これが、外から見た曲がり方と、曲面の内側で測れる曲率が違うことを教えてくれます。
球面は平面にぴったり展開できない
一方、球面は紙のように平面へぴったり展開できません。
地球儀の表面を、破らず、伸ばさず、縮めずに 1 枚の地図にすることはできません。
これは単なる地図作りの都合ではありません。球面のガウス曲率が正で、平面のガウス曲率が 0 だからです。
地球儀の表面から離れずに進むと、平面の直線ではなく大円が自然な直線の役をします。測地線の直感です。
もし球面を平面へ完全に展開できるなら、長さと角度が保たれます。
長さと角度が保たれるなら、ガウスの驚異の定理によりガウス曲率も保たれるはずです。
でも球面の曲率は正で、平面は 0 です。だから完全な展開は不可能です。
曲面の住人は何を測ればよいか
曲面の住人は、外の空間を見る必要がありません。
曲面の上で、短い棒の長さを測ります。角度を測ります。小さな三角形を作ります。
球面では、三角形の角度の和が より大きくなります。
平面では、角度の和は です。
鞍面では、角度の和が より小さくなります。
鞍面では、ある方向には上に曲がり、別の方向には下に曲がります。曲率を 1 つの数字で見たくなる場面です。
この差が、曲面の内側から見える曲率です。
何が驚異なのか
ガウス曲率は、最初は外から見た曲がり方で定義されます。
曲面を 3 次元空間に置き、いろいろな方向に切って、主曲率 と を測り、
を作ります。
ところが結果として、この は第一基本形式、つまり曲面上のものさしだけから計算できます。
外から見た量として作ったはずなのに、内側の測定だけで決まる。
ここが驚異です。
まとめ
ガウスの驚異の定理は、ガウス曲率が曲面の内在的な量であることを言います。
紙を円柱に丸めてもガウス曲率は 0 のままです。球面は平面に完全には展開できません。
微分幾何学の強さは、外から眺めた形ではなく、その空間の中に住む人が測れる量から geometry を作れるところにあります。
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